眼科医大高功 こだわりの道具、独自開発の道具
私大高は手術のプロとして、徹底的に道具にもこだわっています。
ここで紹介するモノは、私がこだわりで使っている、高くて良いモノです。
高いけれど、ご安心ください。使い捨ての注射器などを含め、器具の代金は手術や処置の費用に含まれていて、別途請求できない決まりになっていますので、皆さんの財布に転嫁されません(笑)。手術や処置の費用も全国一律で決まっています。
私、個人的に道具マニアで、車やバイクをさわるのも、スナップオン中心に、コーケン、KTC、VESSEL、KNIPEX、PB他、良いツールを使っています(最近は爪が汚れると患者さんに悪いので、車は自分ではいじらいないですが)。
大切な患者さんの目、道具マニアの私としては、安物を使うことは絶対にいやなんです。いい道具を使うと、仕事の質がぜんぜん違ってきます。
なので、患者さんに費用が転嫁されないモノには、患者さんから見えないところにも高くて良いモノを使いまくっています。
といってもおもいっきりここで見せちゃいますね。やっぱり見えない部分のこだわりもわかってほしいというのが人情ということにしておいてください(笑)。
では高い分のコストはどうやって回収するのか?
まぁ半分趣味なので回収できなくても別にいいのですが、高いけれど良いものを使って良い仕事をして、良い評判をもらって、評判が良いと聞いた多くの患者さんにきてもらうことによって知らない間に回収される、、、
これこそが理想的な病院経営と考えています。
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私が開発して、プロ向けに市販されている道具を紹介いたします。ちなみに、より多くの患者さんとドクターにメリットを享受していただけるよう、販売に伴う報酬は一切いただいておりません。
●DK社製 大高氏角板 日本総代理店MEテクニカ社のサイト
私が開発した、角板といって、まぶたに注射をするときに、目の保護用に使う道具です。
従来の角板との比較です。扱いやすいようにサイズを小さく、目の形にあわせて角を丸く、素材がステンレスからチタンに変更、顔に乗りが良いように、湾曲の形を変えてあります。
このように使用します。チタン製なので値段が高いですが、使用感は抜群です。手で保持しなくても上の写真のように安定性が良いので、両手を自由に使えるために、より手術での安全性が高まります。
●大高氏鑷子(セッシと読みます。ピンセットのことです) 日本総代理店MEテクニカ社のサイト
Duckworth and Kent社のサイト をクリックして「otaka」と入力して検索すると、製造元のイングランドのサイトで出てきます。どうもこの道具は世界中に売り出されているようですね。
糸を結ぶときと、結膜を持つ時に使用するピンセットです。通常のピンセットの先に溝をつけてあります。溝の形、深さなどを試行錯誤の上、工夫してあります。たったこれだけのことですが、この溝のおかげで、普段の保持力が格段に増しています。また、この溝から血が逃げますので、手術中に血の塊が保持面について保持力が低下することを防げます。この道具のおかげで、しっかりした縫合ができます(特許申請中)。
●DK社製 大高氏プラグメジャー 日本総代理店MEテクニカ社のサイト
Duckworth and Kent社のサイト をクリックして「otaka」と入力して検索すると、製造元のイングランドのサイトで出てきます。この道具も世界中に売り出されているようです。
涙点プラグは、涙点の大きさを正確に測定できないために、最適ではないサイズのプラグを入れてしまうことにより、脱落してしまうことがあります。これに対するアプローチとして、この道具を作成しました。
涙点は拡げればどんどん拡がります。この、いちばん拡がった時のサイズを測定しないと、プラグはすぐに脱落してしまいます。なので、先を紡錘型にし、差し込むことにより涙点を拡張しながら、もっとも拡張したときのサイズを測定できるようになっています。
具体的には、先に3本の線が入っており、各線まで入った場合には直径何ミリと書いてあります。それが違うサイズで両端にありますので、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0ミリを測定できるゲージになっています。
先端はやや丸く加工されており、患者さんの痛みがないようにしてありますが、不足を感じる場合には、自分ですこし削ればさらに丸くなります。
下は、先端のアップの写真です。写真には写っていませんが、先端部根元に、各ラインの大きさを示す数字が刻印されています。
●DK社製 大高氏睫毛鑷子 日本総代理店MEテクニカ社のサイト
Duckworth and Kent社のサイト をクリックして「otaka」と入力して検索すると、製造元のイングランドのサイトで出てきます。この道具も世界中に売り出されているようです。
さかさまつげの患者さんのまつげを抜くのに使う道具です。超高級毛抜きですね。先端の形状を改良し、抜いたまつげが付着しにくくなっています。
抜いたまつげが器具についていると、次のまつげがうまく抜けないために、いちいちティッシュで拭かなければなりませんでしたが、従来の器具と比較し、その手間を大幅に省くことができます。それゆえ抜去する時間を短縮することができ、患者さんへの負担を減らすことができます。
たかがさかさまつげと馬鹿にすることなかれ、なっている本人にとっては重大な問題です。こういう部分にもこだわっています。
イナミさんカタログ 2021年春号
イナミさんは眼科業界では最もメジャーな道具屋さんの1つです。大高と松村望先生で、オペ用の機器を共同開発し、大きく取り上げて発売していただきました。多くの先生方のオペに役立てていただけれて、結果的に世界中のより多くの患者さんの助けになれば幸いです。
涙嚢内視鏡手術の最初に、涙点を拡張し、かつ涙点のサイズを測定する必要がありますが、使えるいい道具がないので、上に掲載している、大高氏プラグメジャーをベースに松村望先生とアイデアを出し合って作りました。
以下、私のオリジナル製品ではないですが、患者さんのメリットのために、こだわって使っているものです。
●ロック付きシリンジ
注射器のことを「シリンジ」と言います。当院では「ロック付き」、すなわち、針をつけるところにねじ山がきってあって、針をねじ込むタイプのものを使っています。病院に行かれたらよく見てください。このようなシリンジを使ってるところはまずないと思います。
普通のシリンジは針をぐいっと押し込んでつけます。通常の使用では問題ないですが、当院のように患者さんの痛みを軽減すべく細い針を使用すると、針から薬液が出づらく、より強い力で注射器を押す必要がありますので、内圧が高まり、針が発射して事故につながる可能性があります。また、実際に、手術で目の中に薬を入れるときに、針を発射させてしまい、それが水晶体にささって、水晶体摘出術の緊急手術になった先輩(私ではないです!)もいました。めったにないのですが、可能性は可能性。こういうところにも気を配っています。
なぜ通常は採用されていないかというと、ロック付きのほうが値段が高いのです。また、どこでも使われていないので、このようなシリンジの存在を知らないドクターも多いと思います。
●Duckworth&Kent社(England)の手術道具
私の最愛用品です。DK社と略されます。普通はステンレスなのですが、チタン製です。軽く、強度が高いのが特徴ですが、値段は2,3倍はします。チタンはそのままだと黒く変色するので、淡いブルーのコーティングが施されています。この色が私好みなんです。使い心地は繊細という言葉がぴったりでしょうか。扱いにはデリケートさが要求されますが、ちゃんと扱うとそれ以上に応えてくれます。
私は個人的には日本のモノびいきです。日本のモノはほんとうにすばらしいと思っています。工業製品で日本製が英国製に負けるわけないやん、と常識では思うのですが、どういうわけか、眼科の手術道具は舶来物が良いです。
メーカーさんに聞くと、やはり「伝統」だそうです。すなわち、ヨーロッパでは、こういう工具を作る職人さんの社会的地位が非常に高く、ゆえに優秀な人材が集まっていると。日本はそういう職人さんの社会的地位が決して高いとはいえず、ゆえに良いものが生まれにくいと。
●Geuder社(ゴイダーと読みます。Germany)の手術道具
私の準愛用品です。ドイツ製のイメージどおり、質実剛健です。つや消しシルバーの渋い仕上げで、非常にしっかりと仕上げてあります。
使い心地もしっかり感があって質実剛健ですね。私はDKの繊細な感じのほうが好きなのでDKを主に使っていますが、Geuderも大好きです。特にはさみ系の物がいいですね。左が標準的なはさみ、真ん中は眼科用の特殊な形状のはさみです。
●TMS
目の表面の構造を測定する機器です。すごいですこれは!興味のある方は何がすごいのか、ここ見ててください(^^)
●最新型のパスカルレーザーを入れました。←もうかなり入れてから時間が経っていますが、いまだにものすごく良いです。
左の写真中央の、青い椅子が置いてある黒と銀の機械です。当院に設置されている写真です。
このレーザーの特徴は、何といっても「痛みが少ない!」事につきます。「痛みが無い」と言いたいですが、それはうそになります。「痛みが少ない。人によっては全く痛くないこともある!」ですね。
ちなみに右奥の機械は、少々ならば出血があっても治療が可能なマルチカラーレーザー。左側がYAGレーザー。YAGは2台ありますので、サブのYAGレーザーです。その横はFAGとICG撮影装置。右のカバーがかかった状態でにちょっと見えているのがGPという視野計です。
わけがわからないぐらいたくさん置いてあってすみません。これでも完璧に整理されて考え抜いた配置で置いてあるのですが、うちは治療機器や検査機器が多いもんで。。。(グリーンレーザー1台、マルチカラーレーザー1台、PASCALレーザー1台、YAG1台、YAG+SLT1台、ハンフリー2台、レフケラ2台、眼圧計2台、無散瞳眼底カメラ1台、内皮、FAG、GP、ヘス、シノプトなどなど・・・)
特に糖尿病網膜症にレーザー治療をする場合、通常はとても強い痛みを伴います。従来はこれが最大とも問題だったのですが、当院では最新型のPASCAL(パスカル)というレーザーを導入し、痛みの少ない治療を可能としております。
このレーザーなら痛みが無い! とうたっているような病院もあるようですが、さすがにそんなことはないです。やはり治療中、多少眼の奥が重い感じとかはあるようですが、従来の痛みと比べると格段の減少となりました。患者さんによってはぜんぜん痛く無かったよ、とおっしゃる方もいらっしゃるぐらいです。
ほんとうにすばらしい治療が可能な時代になりました。今までのレーザー治療での痛みに参って途中で中断した方や治療を受けなかった方もぜひご相談ください。
●カールツアイス社製 シラスHD-OCT premium (モデル6000)
OCTとは、網膜の断層写真をとる機械です。当院ではOCT3000という機械を大高院長が前院長から継承した当初(平成16年)から導入しておりましたが、平成22年8月1日に新型に、令和3年4月に最新型にバージョンアップしました。
写真はカールツアイス社のHPからお借りしてきましたものです。
ソニーのデジカメをお持ちの方は、レンズがカールツアイスなので、レンズの横に Carl Zweissと書いてあります。元々ドイツの光学器メーカーで(今はアメリカ?日本でいうと、ニコン社のような感じでしょうか)、眼科用機器でもいいものをいっぱい作ってくれています。
非常にきれいな画像を提供してくれています。
→
こんなふうに、網膜の表面の層、中間層、最下層に分けての立体的な描画も可能になりました。
以下は以前のOCT3000の画像です。暇を見て最新の画像にアップデートします(^^ゞ
上が通常の網膜です。矢印が中心部、すなわち、黄斑部を示しています。中心部は少しへっこんでいるのが特徴です。
下は、黄斑部の上に膜がはって、その膜が収縮して網膜を引っ張っている様子です。黄斑部の表面のオレンジの層が膜です。
網膜の診断、特に中心部にある黄斑部の診断は、誤解を恐れずに言うと、OCTがあるとなしとでは全くレベルが違うといわざるを得ません。通常の眼底写真が普通のX線撮影で、OCTがCTやMRIに相当します(CTは放射線を使用していますので頻回に使用すると眼には有害ですが、OCTは微弱な光を使用していますので、眼には無害です)。
この機械は1千数百万円なのですが、より正確な診断のために、当院では大学病院クラスでも持っていないところがあった時代より導入しております。
●LASEREX社製、SLT
これが当院自慢の最新機械です。緑内障の治療は従来点眼か切る手術でしたが、新しい画期的なレーザーによる治療法が加わりました。
●選択的レーザー線維柱帯形成術(selective laser trabeculoplasty 略してSLT)とは
特殊なレーザーで、眼内の水(房水)の流出路である線維柱帯で水の流出の抵抗となっている色素細胞をレーザーでつぶして減らし、房水の流出を助け、眼圧を下げる最新の方法です。じゃまな細胞のみを選択的につぶしてくれるわけです。
レーザー治療なので、切らないので外来での治療が可能です。治療後すぐに普通の生活が可能です。正直、昔から考えると夢のような治療法で、それを知った時に非常に強い興奮を覚え、高い眼圧降下力を確認し、高額な機械ですが、迷わず導入いたしました。
理論的にはすべての患者さんに永続的な効果を期待できます。それと、副作用(治療後の一過性の眼圧上昇)が非常に少ないのが魅力的です。
眼圧が高ければ高いほど効果が高いですが、正常眼圧緑内障の患者さんでも多くの場合、2とか3mmHgの降下が得られます。この効果は正常眼圧の患者さんにとっては非常に大きいです。また、正常眼圧緑内障の場合、夜中に眼圧が上がって、そのために視野が悪化している人もいるでしょう。そういう人に対しては、夜中の眼圧上昇を抑えてくれることが期待できます。
もちろん治療なのですべての人に効くということはありませんが、副作用のまずないので、気楽に受けていただける治療法と考えております。
詳しくは当院のサイト http://isao.com/slt.html ごらんください。私事ですが、デザインが非常にCOOLで気に入ってます。
番外編 その1
ここは病院のHPともリンクしていますが、基本個人のHP上なので、好きなことを書かせてください。
道具や工具好きの方以外は見ても、何じゃこいつはと思うかもしれないことなので、あんまり見ないでくださいね(^^)
物置きにはホームエレクターを使っています。病院は生理食塩水を使いまくるので、金属にとっては最高レベルに過酷な状況にあるのですが、購入時にステンレを選択するとさびないのですばらしいですね。
フックでかけてあるのは、知る人ぞ知る「スナップオン」のモンキーレンチです。工具の最高級品です。
スナップオン常備の眼科は世界中でうちだけかも?(笑)
本来個人でバイクや車いじり用に所有していた工具なんですが、モンキーは家ではぜんぜん使わないので、病院に持ち込みました。硝子体手術をやる時は機械にガスボンベをつなぐのですが、その時に大活躍してくれています。
本来は車の整備などを想定されて作られていますが、薄暗い手術室で1秒を争う現場での使用、これ以上ないスナップオンの使い方のように思えます。
スタッフの女の子たちも、「なんかわからないけど非常に使い心地が良いですよ」と言ってくれています、、、(^_^;)
モンキーは通常遊びが大きくてネジをなめてしまうこともあるのですが、スナップオンのは遊びが少なく、設計はとても良いですね。
でも、ソケットレンチのメッキの強度なんかは、同様に愛用しているKOKEN(山下工具研究所)さんのモノのほうが良いと感じています。やっぱり日本の良いものは本当に良いです。
オペ日のオペ室の準備場をそのまま撮影しています。うちらのオペ日の裏方はもう戦場みたいなもんですが、裏の裏まで、雑然の中でも整然としておくよう指導しています。
オペの道具は非常に細かいので、洗浄後に水道水をしっかりとばしておかなければカルキで中が固まってすぐに壊れてしまいます。なので、コンプレッサーが欠かせません。エアーガンはコンプレッサーに汎用品が付属していることも多いのですが、自分はあえてVESSEL社さんのモノに変えています。一番の理由はものすごくかっこいいと思ったからです。看護師に「これかっこいいやろ?」というと、完全にきょと〜んとしておりましたが(笑)
しかし、使ってみると、見た目よりむしろ機能がすばらしかったです。レバーの微妙な握り加減でエアー量のコントロールが完璧で、うちらのような精密機械を扱う場合に特に最適です。さすがVESSEL!少しでも裏方の雰囲気を明るくするため、コードは派手めにしておきました(^^)
番外編その2
大高のモノへのこだわりの話さいご+自分のプライド。車やバイクや工具を好きな人以外はちょっと・・・
大高のバイク歴:
友人のゴリラ改(高校時代に自分の部屋でZ50エンジンばらしては組んでいた。畳がオイルだらけになったが、そこでまた寝ていた。よくお袋黙っていましたね)→スズキハスラー50(バイク好きを見るに見かねておじいちゃんが買ってくれた)→ヤマハDT125(オフロード。5000回転以上のパワーがすごい。予備校はこれで京都から大阪まで淀川の河原をぶっ飛ばして通っていた)→ホンダGL400(親友からずっと借りてたアメリカン。大学に受かった春、このバイク一台で下道で東京に出ました。よく友達たちと二人乗りで東京京都を下道往復した)→ホンダCBR400(これも先輩からずっと借りていた。最後は盗難されて廃車で見つかった・・・)→’92 スズキGSXR1100(長いこと家庭教師のバイトして買った。逆輸入フルパワー145PS仕様。ほんとうにかっこよかったですが、パワーは使いきれないですね。東北道で☆☆☆キロで一発免停になりました・・・)→今は、がまん中。怪我できないし。
大高の車歴:
日産スカイラインジャパンハードトップ(大学1年、お金がないので、29万円のボロ族車を自分で極力戻して乗ってたが、シャコタンや小径ハンドルなどは予算不足でそのままで・・・)→メルセデスベンツ280SE(なんと、マレーシア仕様4速マニュアル!110万円!でかい図体に小さいエンジン(一応DOHC、けど、あんまり回らない)なのに案外スピードが出たが、湾岸で☆☆☆キロでエンジンブローして、エンジン載せ換えが100万円・・・)→キャディラックフリートウッド(アメリカ名DE
VILLE)2ドア(アメリカ時代。内装がエンジのベルベットで、日本から来て後ろに乗った真島先生という名医が、「これは動くキャバレーだ!」と言った。5リッターFFで、普通の速度でも、交差点で、うおおお曲がらない、と明確にわかる。1万ドル)→日産R32GT-R標準車白(今見てもやっぱりかっこいいな〜。やっぱりGTRはほんとうにいい車です。底値の240万円で売って、開業資金の一部に・・・今持ってたら数千万とか言わないでくださいね・・・)→トヨタプリウス(人生初の新車。ガソリン食べないいい子ですね〜。ちょっと選択が無難ですかね〜) →スバルフォレスター(雪道ガンガン走っています。スバルの車は本当に運転しやすいですし、状況が悪ければ悪いほど頼りになります)、です。
GTRからいきなりプリウスは普通ないやろと言われますが、どちらも方向性はまったく違うがすばらしい製品ですし、モノ好きとしてはすごいと思ってしまいます。プリウスに回生で充電するのは機械好きは全員萌え萌えですね〜(^^)
大高の免許歴:
2輪:16歳の高校時代に原付免許取得→浪人時代に小型自動二輪免許にステップアップ→浪人時代に中型自動二輪免許にステップアップ→大学4年に自動二輪限定解除。
すべて試験場の一発免許で何発も受けて(笑)とったのがこだわりです、というより、お金がなかったんですな。限定解除は特に苦労しました。
当時の鮫洲は地獄でした。試験車スズキGT750は既にめちゃくちゃ古く、かつ整備が極悪で(そもそも2ストのナナハンは死ぬほどじゃじゃ馬で乗りにくいんですけど、それ試験車に使うって・・・(笑))、雨の中40キロで前ブレーキが一切効かなくてあせって全員こけたりしますからね(笑)。
40キロで走っているナナハンでこけると医学的にはかなり痛いはずですが、一発退場のショックでみんなまったく感じていないのがナイスです(笑)
鮫洲で10回ぐらい落ちて、GT750のあまりの酷さに「これは永久に無理」と感じ、府中に変更。府中のFZ750の乗りやすさは神でした。あと3回ぐらい落ちてから合格もできました(笑)
4輪:大学1年で普通免許→大学5年で大型免許取得
大学時代に、どうしてもトラックを運転してみたくなって、大型自動車の免許もとりました。これは教習所でとりました。一発に行くにも、どうにもこうにも練習しようがないからです。試験本番で路駐して昼寝しているトラックのミラーに自分のミラーがドカンとぶつかったのには肝を冷やしましたね。
トラックのミラーは異常なほど飛び出していますので一般道では気をつけないと・・・。即座に「早く逃げろ!」と指示する教官もどうかと思いますが・・・(^_^.)
以上の経歴を見て分かっていただけるとおり、自分は正真正銘庶民の息子です。金持ちの息子でこのような履歴のはずがありません。ですが、それゆえに、より深く乗り物という、重大な「モノ」と付き合って、モノの扱い方を知り、モノ作りをされている方を尊敬することができたと思っています。
また自分はちゃんと普通に大切に育ててもらいましたが、子供のころに高価なおもちゃを買う余裕が家にはありませんでした。父は近所で落ちている竹を使って(京都西山出身)、肥後守(ひごのかみ)で竹とんぼを自作する方法を教えくれ、いろいろ研究しながら、部屋が竹くずだらけになるほど作りました。
庶民の息子なので、特別な英才教育もありませんでした。しかし、計算が速かったからでしょうか、両親が良い塾に行かせてくれ、いい中学に入ることができました。頑張って自分を私立中学に通わせてくれている両親にPC98(昔のパソコン。名機)をおねだりすることはできず、自分でパーツショップに行って、はんだごて片手にテレビゲームやマイコンゲームを作ったりしていました。
手先が鍛えられました。
中学、高校時代、バイクとサッカーに夢中になって勉強はしませんでした。それをカバーするために、記憶に頼らないで(勉強していないので頼りようがない)、考える力を伸ばしました。そのおかげで、慶應医学部に入ることができました。残念ながら考える力だけでは大学は受かりません。合格に十分な知識を入れるのに卒後2年間かかりましたが。
高校時代にサッカーとバイクいじりばっかりなんかしていたから、慶應医学部入るためには2浪ぐらいは仕方ないです。
現代の眼科先端医療、3つの能力が求められると考えます。機械の扱い能力、手先の器用さ、考える力。
眼科医の両親はほとんどがお金持ちです。
そのような眼科医で、自分のようにモノとディープにかかわった人はそうそういないと思っています。自分以上に、小さいころからモノを自作しまくって手先を鍛えた人もいないと思います。小さいころから医者になるべく真面目にやってきただろうし、自分ほど勉強しないで考える力を伸ばしてきた人もそうそういないと思います。
ゴルフではトッププロと呼ばれる人たちがいます。持って生まれたすばらしい才能に加えて、朝から晩まで死ぬほど努力をして良い成績をあげている数十人の人たちです。
自分はゴルフを頑張ってやっています。しかし、自分は誰よりもいいパフォーマンスができるはずのゴルファーだと言える根拠は一つもありません。確かに、いいショットのあとですかさずミスショットをする、普通のアマチュアです。
ですが、眼科では違います。昔から伸ばしてきた機械の扱い能力、手先の器用さ、考える力。しかも、毎日朝から晩までありえないほど努力をしていますし、ものすごい数の症例を見て経験を積み上げています。結果、トップクラスのプロと自負していますし(他にも素晴らしい眼科のプロが沢山いるという前提です)、そうありたいと思っています。
それが自分のプライド、です。
ですが、一番の敵は慢心です。
下はTONEさん、KOKENさん、マキタさん、SK11さん、KTCさん、SANWAさんなど、愛用の日本メーカーさんの工具の一部です。
私は洋服や腕時計などで一切贅沢をしないので、その分の資金でコツコツ買い揃えています。
いつ使っても素晴らしく、スナップオンなどの海外製も愛用しつつ、以下の写真以外のメーカーさんを含め、すべての真剣に作ってらっしゃる日本メーカーさんを尊敬していますし、日本人として誇りに思っています。
こういう工具を使うたびに、決して慢心することなく、自分も本職でいい仕事をし続けないといけないなと、気を引き締めています。
mail: otaka@isao.com
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